被災地を伝える写真の力
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2011年3月11日以降のぼくらにとって、被災地の復興と福島第一原発事故の解決、そして続く余震と節電は、絶え間ない不安となっていつも心のどこかでくすぶっています。
一時はデマの温床にように注意を促されていたツイッターをはじめとするネットの情報。しかしそこには、「がんばろう日本」というマスに向けてのスローガンより、もっと心を動かされる力強いメッセージがあることを教えてもくれました。
「復興の狼煙(のろし)ポスタープロジェクト」は、ストレートに前へと進む力強さを見せてくれました。断片的にツイッターで広まっていたポスターが、1つのサイトにまとめられ、クリエイティブとはこんなに力強いものか、と思い知らせてくれました。写真もコピーも素晴らしい。
まっすぐな視線を見る者に向けた写真を撮影したのは、フリーカメラマンの馬場龍一郎さん。「復興の狼煙ポスタープロジェクト」は、岩手県釜石市の人々を撮ったものですが、馬場さんの個人サイトには福島県いわき市で出会った人たちの写真も掲載されています。→http://afrocamera.com/portfolio/#fukushima1
福島県のみなさんの分については、どのようなカタチで発表すべきか、悩んでいらっしゃるようです。原発の問題、風評被害、さまざまな心の声が複雑に交差している。そうですね、1行のコピーで伝えるのとは違う手法が必要でしょうね。
もうひとつ、ご紹介したいものがあります。
iTunes App Storeから「3/11 TSUNAMI PHOTO PROJECT」という写真集がリリースされました。東日本大震災の発生後、被災地の現状を世界に発信するという主旨に賛同した世界中の著名フォトジャーナリストたちの写真を収録したものです。
そこには、日本のテレビ局カメラには見せない、被災地の人々が写し出されています。写真の力は、強いです。
ツイッターで「日本には過労死するほど仕事があり、自殺するほど仕事がない」という言葉が流れてきました。心療内科で、何度か耳にしたフレーズでもあります。
でもこの大災害と、そこから伝えられるこのような良質なメッセージによって、生きるということの大切さを、改めて思い知らされます。
written by TZK:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。