パソコンで聴けてラジオが身近に!
私が高校生だった頃、まだ各部屋に1台づつテレビがあるような環境でなかったため、自分の部屋にあるパーソナル・メディアはラジオでした。正確にいうと、ラジカセのラジオ。
パーソナリティのトークとハガキによる投稿。ラジオはマスメディアであるにも関わらず、いまのネットのように、自分にだけ語りかけてくれるような親密さがあったように思います。
デザインや設計をやっている仕事場では、よくJ-waveが邪魔にならない程度の音量で流れてますよね。ウチの会社でそれはやっていないのですが、各個人のデスクにあるラジカセで、ラジオを聞きながら作業をしている風景がかつてはありました。かつて。そう、iTunesやiPod登場までは、の話です。
ながら仕事はどうなの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちの場合、周囲の音をシャットアウトして作業に集中するため、ヘッドフォンをかけてるのです。
しばらくラジオから遠ざかっていたのが、3/15にネットでラジオのオンエアが聴ける、IPサイマルラジオ「Radiko.jp」の試験運用が始まりました。
(在京7局が東京、神奈川、千葉、埼玉、在阪6局は大阪、京都、兵庫、奈良)
これがけっこううれしいサービス。FMの音がノイズなくきれいに聴けるのがいい(時々音が途切れますけど...)。 なによりパソコンでブラウザを起ち上げれば聴けちゃうという、今の生活動線の中に再びラジオがカムバックしてくれたことに、ほのかな喜びを感じます。
ラジオって1日の時間感覚の目安になりますよね。この番組が終われば何時、このコーナーが始まるとペースをアップしないといけないとか。トレンド情報も耳に入るし、今流行っている音楽もチェックできる。そしてタイムテーブルなどの情報を、リンクで開くことができるワンストップな動線。
目と思考はディスプレイ画面の中に集中してるのに、ラジオの音は邪魔にならないし、うまく脳の処理配分ができているようです。
そこで思ったのは、ラジオCMの存在価値アップ。
ラジオCMって、けっこうベタですよね。帯で毎日耳に入ってくると、脳に染みを作るように残るものです。時間に余裕がある時しかチェックできない新聞広告より、重ね塗り的効果があるんじゃないかと思うのです。
IPサイマルラジオの認知が広まって、ふたたびラジオを聴く人口が増えていけば、メディア価値も大きくアップする可能性大です。現に「radiko.jp」は開始から1週間で総ストリーム数523万、Webページの総ページビューは約4710万の「予想をはるかに超える結果」だったそうですから。(ITmedianewsより)
もっと早くにIPサイマルラジオが始まってもよかったのに!と思いましたが、スマートフォンとの連携を考えると、まさに今、なんでしょうね。
iPhoneでradikoを聴けるアプリ「iRadiko」は、リリース直後に配布中止になってしまいましたが、2010年5月10日「radiko(ラジコ)」公式のアプリ「radiko.jp」がリリースされました。
written by TZK:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。