東京モーターショー2009:リアルな近未来
ライター&3DCG担当のGANです。秋の風物詩、東京モーターショーに行ってきました。そしてレポートをまとめるよう、TZKから指令が。このBLOGには初めての登場となりますが、思いの丈を書かせてもらいます。
再三再四方々で言われているように、確かに業界の元気が無いですなァ。
西ゲートから入るとお目当ての二輪関連企業が広がってるんですが...
まず目に飛び込んでくるのは、白いブースと真っ赤なヤマハ発動機のロゴ。
やはりアートギャラリーテイストの構成で、今年は白を基調にしたブース。
モーターサイクルショーでは黒が基調だった。
あれ?モーターショーとモーターサイクルショーでカラーを使い分けてるんだろうか? ちなみに相変わらずバイクに跨らせてくれないのも定番だった(笑)
ブースのセンターにはエコロジーを象徴する電気バイク。
なんだか自転車コーナーを見ているようだ(実際レクサスロゴの電気バイクも展示されてた) 世の中、今、自転車が大ブームですからなぁ。
でもここで見たいのは、やはり実物のVmaxやR1だ。
R1とM1は、モデルと搭載エンジンをセットで展示。
ブース内で流れていたDJ MIXされたBGMがイイ感じ。iPodに入れときたいと思ったり。
話を本筋に戻そう...。
二輪と四輪両方を手がけているホンダとスズキでは、それぞれ1企業で1ブース。
なんと二輪と四輪、一緒に展示してます。こんなの初めて見た。
そしてなんと、国内ビッグ4の一角、カワサキブースがありませなんだ。
今年はドゥカティもBMWもアプリリアもトライアンフもモト・グッツィもいない。
不景気の高波は間違いなく製造業を直撃しておりますな。
バイクファンにとっては寂しいかぎり。
モーターショーっつったら各ブース練り歩いたら夕刻にはヘトヘトになるもんですよ。 各メーカーのカタログやらノベルティの重さで腕がパンパンになるもんですよ。
今回あっさりひと巡り完了(汗)
四輪ブースも国内メーカーばっかし。
そしてキーワードは「エコロジー」や「ゼロ・エミッション」。
うーむ。
しかしこれ、考えようによっちゃいい機会なんじゃなかろうか。
例えば二輪も四輪も、昔からコンセプトモデルって体のいいハリボテなんだよね。
企業のアイデンティティがどーのこーのって。
突飛なデザインと大言壮語で飾ったその時限りの御神輿というか。
いち消費者として言わせてもらうと「そんなハリボテに興味ねぇよ! 」って一言なんだけど(笑)
今回、各ブースに展示されているコンセプトモデルも、まぁ確かにハリボテなんだけど、実現化が近いというか、そう遠くない数年先の未来には実際に我々が、ガレージで触れることができる「リアルな未来」の匂いを感じた。
絵空事ではないカタチを成した未来。
実際に手に入るかもしれない未来。
所有欲を刺激してくれる未来。
これは素晴らしいこと。
化石燃料の制限、Co2削減、温暖化抑止・・・
こんな風潮だけに黙っていても自動車はハイブリッドを経て、時代は確実にエレクトリック・ビークルに移行していくだろう。
加えて高齢化。若者のクルマ離れ。
そしてこの大不況である。
自動車業界、泣きっ面にスズメバチが1ダース状態。
まさに大ピンチ。
だから国をあげて内燃機関から外燃機関へのシフトが始まったんでしょうな。
もしも今も好景気であれば高級車がガンガン売れて、プリウスもモデルチェンジしなかったでしょう。
インサイトも登場しなかったかもしれない。
変な話、「いろいろヤバイ状況」という巨大な脅迫概念が企業どころか産業会自体を動かし始めた気がする。
いろんな意味でキッカケになってるんじゃなかろうか。
今はSF映画の小道具のような電気バイクでも、ここから根が生え、茎になり、いずれ大型の電気バイクという大輪の花になる...そう信じたい(笑)
もー国内メーカーで競い合ってる場合じゃない。
業界一丸。
世界に先駆けたテクノロジーでメイド・イン・ジャパンの復権を。
自慢させて欲しい。日本人であることを。
いち消費者として心から願う。
そして今年のモーターショーが将来「あの頃は大変だったねぇ」と笑い話になってほしい。
そんな想いを残しつつ、ウチのヤマハ発動機サイトの制作スタッフ(今回のモーターショーサイトにぼくらは関わっていない)と合流。ヤマハブースにiPhoneの「セカイカメラ」でエアタグを残して、会場をあとにした。
▲最後に、とにかく美しかった、透明アクリル製のLEXUS。写真小僧、必須。
▲コメントにあったリクエストにお応えして、ヤマハブースに展示されていた作品No.07 冒険の道標
written by GAN:アイデアビューロー・バイク好きなライター&3DCGクリエイター