インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国
先行上映で「インディ・ジョーンズ」シリーズ最新作「クリスタル・スカルの王国」を観てきましたよ!
まさか3作目から19年も経って、4作目を観ることができるなんて!
インディ・ジョーンズ=ハリソン・フォードも歳とっちゃいましたから、アクションシーンなんて老体に鞭打って痛々しいんじゃない?どーせCGボディなんじゃない?なんてこと考えちゃいますよね。「インディ・ジョーンズ」シリーズのまねっこ映画もたくさん作られたから、新たな映画体験なんて期待できないんじゃない?ってこともね。
—そんな心配、いらぬお世話でした。
前3作目でシリーズ完結となるよりも、この4作目で完結になる方が納得できる作品になってたかも。
「やたらタフな男」だったインディ先生も歳をとったということをストーリー上の設定にうまく生かしながら、演出手腕に磨きをかけたスピルバーグの映像づくりと前作より格段に発達したデジタル処理によって、「インディ・ジョーンズ」シリーズのおもしろさが、決してパワーダウンすることなく帰ってきました。
ルーカス&スピルバーグのコラボレーションは、それぞれの得意技をうまく引き出しつつ、映画の歴史に名を刻んだ同世代の映画人として、後続する映画人に匠の技を見せつけてるようです。
ストーリーの軸になる高度な古代文明にまつわるネタは、決して目新しいものじゃないけど...。
言葉にしてしまえば1行で済んでしまう展開を、映画的に面白くするにはここまで雄弁に映像を積み重ねるか!の連続。だから、ストーリーの先が読めるからといって興ざめしないんだよね。
「インディ・ジョーンズ」シリーズのスピルバーグ的味付けって、<こうすればこうなる>というプロセスの断片を先にふっておいて、観客が「をいをいそれしたらヤバイだろ」という先読みを逆手にとって緊張感を高めること。そして場所や位置関係、視線の先に何があるかなど説明的な映像を積み重ねることで、すぐ先の展開を観客に予測させつつ裏切っていくという技を繰り返すこと。
そしてお約束の展開も健在です。映画冒頭のパラマウント映画の山と本編最初のカットを重ねるように山状の実写からはじまること。見逃さないでね。
それにしても、ハリソン・フォードはがんばってましたよー。どんだけ元気なおっさんだよ!パンチには重みが出たような気がします。
演技派女優ケイト・ブランシェットが、コミック・キャラクターのような役柄を楽しんでやってるのもみどころです。どんな状況でも乱れない髪型も(笑)
アクションシーン満載の「インディ・ジョーンズ」シリーズは、アクションというよりも淀川先生的な言葉でいえば<冒険活劇>。カラダをはったネタの連続で、ストーリーをぐいぐい進めてく感じです。難しいことを考えずに楽しみつつ、作り手の職人技にも舌鼓の1本でした。
もし「インディ・ジョーンズ」シリーズを1本も観ていない人なら(なんせ約20年前の映画だし)、1作目「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」だけは観ておいた方が、より美味しく「クリスタル・スカルの王国」をいただけると思います。
written by Hidden:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。