ユニクロが引き出す浅野忠信の顔
Webで意欲的なことをいろいろ見せてくれるユニクロ。
先日NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」に登場した、日本を代表するWebデザイナー中村勇吾さんの手がけたサイトのほか、とんがった仕事をしているWebクリエイターがかかわってます。
Webだけでなくブランド・イメージをつくりだすアイテムに、蒼々たるクリエイターが名を連ねてますからね、ユニクロは。そんじょそこらのアパレル・ブランドじゃ太刀打ちできないっす。
高級ブランドの路面店が建ち並ぶ銀座は、職場の近くなので立ち寄る機会も多いのですが、一番よく買い物をするのはユニクロ銀座店。地価が日本一高い鳩居堂前から、1、2分歩いたところにある1階から5階まですべてユニクロのフラッグシップ・ショップ。
ちょっと久しぶりにユニクロ銀座店に立ち寄ってみたら、浅野忠信と女優のクロエ・セヴィニーの写真が目に飛び込んできました。このイメージ写真は先月から登場したので、ニュースとしたらタイミングはずしちゃいましたが、写真を前にした思ったのは「ユニクロ、すげぇな」って。
浅野忠信は数年前まで長髪にするどい眼光で、ちょっと聖人っぽいオーラを放ってました。そしてドコモ2.0のCMでは、気の良いにーちゃん風になってて。
主演作「モンゴル」のアカデミー賞外国語賞ノミネートが、今回ユニクロがグローバル展開させる広告起用のきかっかけだったにしても、フォトグラファー:ダン・ジャクソンが撮影した写真の中の浅野は、新しいイメージを見せています。
不思議な印象をかもしだしているんですよ。もう青年とはいえない年齢ながら中年とはほど遠い「オトナの男」を体現しつつ、やけにイノセントなんだ。18歳から40歳くらいの年齢幅を投影してるし、日本人らしからぬアジア人を総称したような無国籍なスタイリング。
演技という時間軸がなくても、こんなにも個性を作り出せる浅野ってすごいよなぁ。
それに、インディペンデント系ムービーで人気女優のクロエ・セヴィニーですよ。これまた演技で見る彼女からは想像できない、豆鉄砲をくらったハトみたいな表情をしてる。2人して「WHY?」って顔しててね(^^)
ちょっとアウトサイダーを歩む役者2人から、新しい顔を引き出したフォト・セッション。 アメリカSOHOへの出店以来、トップ・クリエイターを起用しつづけたユニクロの、グローバル視点のクリエイティブ感性が実った作品だなと思いました。
★追記:この記事は、UNIQLO TODAYの4/22付け今週のベストブログに選出されました。http://www.uniqlo.com/today/
written by TZK:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。