人と人の間には混沌が
Podcastで聞いている「鈴木敏夫のジブリ汗まみれ」に、
宗教学者・人類学者・思想家・作家である中沢新一氏が登場した回で、
すっごく興味深い話をしていました。
人が対話しているとき、人と人との間には、
どっちつかずの「間」ができていて、それが「人間」という。
人間関係は、みんな、その「間」でつくられている。
「間」は「混沌」で、「混沌」には顔も個性もないけど、
人と人との受け渡しをやって、世界は成り立っている...。
物理学で、最初にその「間」のことを理論化したのは、
湯川秀樹先生(ノーベル賞受賞者)。
それまでは、2つの粒子があると、その間には力関係があって、
引っ張りあったりしていると考えられていたわけだけど、
そうではなくって、「間」に「中間子」というのがいて、
2つの粒子の間のやりとりを「中間子」が執り行っているのだと。
それが「中間子理論」ってやつで...
いやぁ。自分の中にない「考え方」を聞くのは、本当に面白いです。
人と人との「間」は、最近では「空気」なんて言い方もするよね。
そしてその「間」とは、ネットワークを行き交うパケットでは?
ネットとパケット、両方のことをいうのかな、この場合。
パソコンからパソコンへ、人の感情や思考をのせて、
それ自体はなんの個性も顔も持たず、相手に届けるネットワーク。
ネットは人間味がない、なんて言えないですよね。
それもまた、人間関係の1つ。
誤解されるのは、相手の「顔」が見えない間のパケットがあるから。
へぇぇ。面白いです。
あらためて、ぼくとあなたの間にある「間」を、じぃ〜と見つめてみませんかね?(笑)
written by Hidden:アイデアビューロー・Webチームのアートディレクター。